現場に出て恥ずかしくない印刷物制作の基礎知識が身につきます
世の情勢も手伝って、印刷物制作を見守る機会は増えているかと思います。
ときには自身でマシンに向かうこともあるかもしれません。
そんなとき、「印刷物とは?」と基本的なところから学ぶことができたら……。
本書は制作を指示するディレクターの視線で、DTPにおける制作の流れを追いながら、
必要な作業やコンテンツごとに丁寧に解説し、制作指示ができるようにしていきます。
知識が身につけば、自身でも作業が可能になります。
さらに章の途中ごとに「実践ワークフロー」として、実際の印刷メディアの
制作方法を合計10例展開しますが、いずれもアプリケーションに依ることなく、
まずはDTPの環境下での考え方から制作を学ぶことができます。
アプリケーションの操作を学ぶ前に、本書を読むことをお勧めします。
企画→編集→デザイン→校正→入稿→印刷→他メディアへの展開…
現代の印刷メディアディレクターに求められる知識やノウハウを網羅
印刷ディレクションの仕事の領域は、印刷物の制作工程をトータルで管理すること。印刷物の企画から始まり、編集やレイアウトの作業を経て、印刷会社に入稿
して最終の印刷物が仕上がるまでの工程を管理し、各工程で品質のチェックを行う。何か問題が生じれば、解決方法を導いたり、適任のスタッフを配置しチーム
をまとめていく仕事も含まれる。そんな印刷メディアディレクターに求められる広範な知識やノウハウをぎっしり詰め込んでいます。
名刺、3つ折りリーフレット、ポスター、雑誌・書籍…
実践的なワークフローもご紹介
印刷メディアディレクターに必要とされる広範な知識を実際、どのような現場で活かすことができるのか? 本書では、下記に示す10種の印刷物について実践ワークフローをご紹介。知識を詰め込むだけでなく、それを仕事にどう活かすのかイメージすることができます。
名刺/ポストカード/3つ折りリーフレット/案内状/ポスター/人物・商品撮影/雑誌/書籍の本文設計・制作/装丁デザイン/クロスメディア展開
PDFワークフロー、QRコード、オンデマンド印刷、電子出版の動向
現代の印刷メディアディレクターに求められる最新情報も掲載
デジタルカメラの進歩や、PDFを活用した入稿・校正など、DTPを取り巻く環境は年々変化を遂げています。また、QRコードやWeb、電子出版に代表さ
れるクロスメディア展開など、印刷メディアディレクターがカバーすべき領域も広がっています。本書ではそれら最新情報もカバーしており、ディレクターを目
指す方だけでなく、すでに印刷に携わる皆さんにもオススメです。
本書の構成
- 第1章:印刷物作成のワークフローとディレクション業務
広告制作・雑誌・書籍制作のワークフロー、DTPのシステム構成・ソフトウェア…
- 第2章:企画と編集作業
企画の立案、基調色と色彩心理、台割表の作成…
- 第3章:デザインと校正作業
画像フォーマット・解像度、印刷線数、ジャンプ率、校正記号…
- 第4章:入稿と印刷
製版・印刷・製本のワークフロー、出力依頼書、印刷用紙の種類…
- 第5章:他メディアへの展開
電子媒体制作のワークフロー、電子出版の動向…
本書は2011年春改訂予定の新しいカリキュラムに準拠するDTP検定II種に対応する公式認定教材です。それ以前に実施のDTP検定II種受験をご検討の方は「印刷メディアディレクションガイドブック」をテキストとしてお求めください。
目次
第1章
印刷物作成のワークフローとディレクション業務
- 印刷ディレクションとは?
- 印刷物の種類とさまざまなメディア
- 印刷・DTP の歴史
- 広告制作のワークフロー
- 雑誌・書籍制作のワークフロー
- ディレクターの役割
- デザイナーの役割
- 印刷会社の役割
- DTP のシステム構成
- ドロー系ソフトウェア
- 画像編集ソフトウェア
- ページレイアウトソフトウェア
- ビジネス系ソフトウェア
- 制作現場で利用される主なファイル形式
- 実践ワークフロー 1:名刺の作成
- 実践ワークフロー 2:ポストカードの作成
- コラム 読者の視線を予測する
第2章
企画と編集作業
- 企画のワークフロー
- 企画の立案と制作チームの編成
- ターゲット(顧客層・読者層)
- コンセプト
- ラフスケッチ・サムネイルの作成
- 広告紙面の演出
- 雑誌誌面の演出
- 色の基本知識
- 基調色と色彩心理
- 視認性・可読性を高める配色
- 規格サイズと代表的な判型
- 書籍・雑誌の構成要素
- 製本知識
- 台割表の作成
- 印刷スケジュールの管理
- 制作費用の算出
- テキスト・図版の作成依頼
- レイアウト指示書の作成
- 先割りレイアウトのワークフロー
- 著作権
- 実践ワークフロー 3:3つ折りリーフレットの作成
- 実践ワークフロー 4:案内状の作成
- 実践ワークフロー 5:ポスターの作成
- コラム 読書を妨げない配慮
第3章
デザインと校正作業
- 編集・デザイン・校正作業のワークフロー
- デジタルカメラとスキャナ
- 画像フォーマットと画像サイズ
- 画像解像度と印刷線数
- 写真撮影の基礎知識(1)
- 写真撮影の基礎知識(2)
- 写真撮影の準備
- ヒストグラムによる画像補正
- トーンカーブによる画像補正
- レイアウト・印刷のための画像加工
- ダイヤグラムの作成
- 誌面フォーマットの設計
- レイアウトの表現方法
- 文字・ビジュアルのジャンプ率
- タイポグラフィの基礎知識
- デジタルフォントの基礎知識
- 日本語の文字組版の特徴
- 欧文の文字組版の特徴
- 段落・文字スタイルの設定
- 文字の視認性と可読性
- 校正作業の流れ
- 校正記号と実際例
- 校正紙の出力
- PDF校正
- 実践ワークフロー 6:人物・商品撮影とディレクション
- 実践ワークフロー 7:雑誌の制作
- コラム ページの検索性
第4章
入稿と印刷
- 製版・印刷・製本のワークフロー
- 印刷入稿データのチェックと収集
- 出力依頼書への記入
- PDF データ入稿
- プロセスカラーと特色
- オーバープリントとノックアウト
- 四大版式の仕組み
- オフセット印刷の仕組み
- 特殊印刷の種類
- 印刷用紙の種類と特徴
- 印刷加工
- QR コード(2次元コード)
- オンデマンド印刷
- エコロジーへの取り組み
- 実践ワークフロー 8:書籍の本文設計と制作
- 実践ワークフロー 9:装丁デザイン
- コラム 複数スタッフで作業するときの注意点
第5章
他メディアへの展開
- 電子媒体の種類
- 電子媒体の特徴
- 電子媒体制作のワークフロー
- 電子媒体の画像データの扱い
- 電子媒体のテキストデータの扱い
- 電子媒体のフォーマット
- インタラクティブ性
- PDF フォーマットで配信する
- 電子出版の動向
- 実践ワークフロー 10:クロスメディア─印刷物とWeb 制作
- コラム 情報の整理法
付録
- 学習のための参考文献・Web サイト一覧
- DTP 検定の概要
- 索引
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