スタジオジブリ&マッドハウス出身の著者による
誰も教えてくれない作画ノウハウ
本書は大きくキャラクター編とメカ編に分かれ、さらにそれぞれ細分化したテーマごとに、いくつかの記事が4ページ単位でまとまっています。はじめから読み
進めてアニメーションの作画テクニックを総合的に学ぶもよし、上達させたいスキルについて解説している記事を拾い読みするもよしです。
特徴的なのはメカ編で、これまでの参考書ではニーズの多さにもかかわらず、メカを扱っているものはほぼありませんでした。本書では、メカのかたちに着目し
た造形としてのメカの描き方ではなく、動かすことを念頭に置いたメカの描き方を解説しているので、アニメーションの現場ですぐに役立つ内容になっていま
す。
著者の尾澤氏は、ジブリやマッドハウスなど著名なアニメ制作スタジオでの豊富な経験をもち、現役のアニメーターでありつつ専門学校での講師でもあります。
本書ではそれらの経験が存分に活かされており、制作現場の新人や学生が陥りやすい間違いや、見て覚えなければならない業界独特の専門技術に対して、わかり
やすい図版を用いながらの的確なアドバイスによってスキルアップへと導いてくれる、そんな一冊に仕上がっています。
1章 キャラクター基本アクション
走る、歩く、飛ぶ、殴る、蹴るという、キャラクターアニメーションの基本中の基本について解説しています。
2章 メカ・アニメーション
基礎、乗物、ロボットという区分で、動きのコツを業界知識を織り交ぜながらわかりやすく説明しています。
アニメーション業界用語
日常的に使われている業界用語について、最低限知っておきたいものをピックアップして紹介しています。
目次
Chapter 1キャラクター基本アクション
走る
- 微妙な傾きを加えて人間らしい動きへ
- 実例から学ぶさまざまな走りの動き
- 状況に応じて考え動きの違いを描き分ける
- 動画枚数、コマ数を調整した動きの表現
歩く
- 基本中の基本である自然な歩き
- 綺麗に動かすために重要な、動画を描く手順
- 女の子らしく見せる歩きのポイント
- 横アングルの歩きから演出意図を探る
- 真正面と真後ろから見た、歩く動きの表現
- 行進から膝の曲げ方やタイミングの取り方を知る
飛ぶ
- アニメーションの理論と技術が詰まった「ジャンプ」
- タイムシートを使ってタイミングや動画枚数を決める
- 角度を変えたアングルと、パースのついたジャンプ
- 背景動画のついた、走りとジャンプを合わせた動き
- 忍者の走りジャンプに見る小気味良い動き
- 動きの面白さを倍増させるツメ・タメ・のこし
- バク宙の動きから見るフルとリミテッドの違い
- 回転する動きから動画枚数や予備的な動きを考える
殴る
- パンチの基本ポーズと連続したパンチの動き
- さまざまなアクションのアイドリング中の動き
- 中割りの画とタイミングで変わる動きの演技
- イメージをより効果的に伝える、カメラワークのついた動き
- 身体ごと動かす強いパンチとスピード感の表現
蹴る
- 基本的なキックの動きと、連動する身体の移動を知る
- ハイキックの動きの流れと見せ方の演出
- 直線的なジャンプキックと回し蹴りの動きの詳細
- 軌道線を意識して作る回し蹴りの動きの流れ
- カメラの効果を加えたアニメらしい蹴りの表現
- コラム:動かす対象の知識を深めよう
Chapter 2メカ・アニメーション
基礎
- メカを描くときの考え方とは?
- アニメーターに必要不可欠な“デッサン力”
- 意識ひとつで画は上達する
- 1本の線でメカを描く意味
乗物
- メカを動かす 〜プロペラの動きについて〜
- 車とバイク 〜らしさの描写と演出〜
- 飛行機の構造と仕組みを知る
- 構造を知っているからこそできる演技した動き
- 飛行機を違和感なく離着陸させる動きとは?
ロボット
- ロボットと人間の比較 〜キャラクター性を表す動き〜
- 二足歩行ロボット 〜動きとデザイン〜
- 多足歩行のメカを見てみよう
- メカの構造と動きの意味とを考える
- メカを描くときのアイレベルとカメラの動きとは?
- 視聴者を魅了してやまないロボットアニメーション
- 海外のアニメーションにはないロボットアニメーション独自の魅力
- 時代とともに変わるロボットの捉え方
- ロボットを動かすコクピット内のキャラの動き
Other
- ご利用上の注意
- はじめに
- 本書の使い方
- アニメーション業界用語
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